十時日記

十時に書くなら十時日記

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休日は自身のコンプレックスと向き合わなければいけなくなる機会が増える。外出するのが嫌になって予定を狂わせている。ひとしきり泣いて午後、まあ夕方などにようやく玄関の外に出る勇気が生まれる。

電車の中でもだんだん泣けてくる。隣にいる夫にギョッとされる。困らせていると思った。こんなに手のかかる大人だと想像していただろうか彼は。

土日、各日、別ルートで夜の散歩をした。土曜は渋谷から新宿まで。日曜は新宿から四ッ谷まで。もうあんまり若くないので張り切って歩かなければいいのに、いざ始めてしまうと速度が上がる。自宅へ戻った頃には眠くなっていて、お風呂チャレンジにも失敗するし、いい睡眠をとり損ねる。汗臭いまま横になって、明け方びっくりして起きる。膨れ上がった瞼をマッサージしながらシャワーを浴びて布団に入るが、手遅れだと銃を突きつけられているみたいに朝日の気配を感じた。

最近夫は女性に人気の香りがするというシャンプーを手に入れた。そういう宣伝文句だったのだ。東急ハンズで見ていて、「これいいんじゃない」と冗談交じりに差し出してみると気に入ったようだった。「こすぱ」が良いようだった。
初めて使用した晩、匂いを確かめさせてくれたが、あんまり感じなかった。ただ、肌がやたらサラサラするようになった気がしている。

これもまた最近のこと。母、弟、私、夫の四人で映画を見た。おかしみのあるメンバーだった。弟は車椅子生活になってから映画館の座席に腰掛けていなかった。いつも車椅子マークのついたゾーンにぽつんと残されて鑑賞していたようだが、今回は初めて移り座らせてもらっていた。これだけでも、大きな変化に感じて泣きそうになった。
母親は弟の耳に向けて何か言っていたが、聞き取れたんだろうか。あの大音量のなか。

これ以上書けない、これに限らず詳しいことを書くと泣けてくるので。