十時日記

十時に書くなら十時日記

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店内で震災について話している人々がいたので聞き耳を立ててみると「八年かあ。その当時何歳? 何してましたか?」とたずね合っていた。その頃まだ出逢っていなかった人達でないとできない会話だ。流動的というか、これだけでもグッと「流れ」を感じる。

それでもって、この「八」という数字はこの先も大きくなり続ける。また新しい人に出会う。その人達もいなくなる。当時何をしていましたかという問いに対して、もう答えられなくなる日が来る。

昔小さな本を作ったことがあって、その中に震災当日のエピソード(コンビニバイトの話)を入れたら興味を持って読んでくれる人がちらほらいたので、単純に嬉しかった。だが時間が経つに従って、誰もがその日の物語を持っていることに改めて気が付き始めると、自分が何を思い出そうとも意味がないように思えた。

皆、とまで大きく括ろうとはしないけれども、大体の人々はあの出来事やあれからの日々を物語として補完し合いながら生きている。私はどうか。

本当に思っていることを言わないようになる。でも口数はかわらない。寧ろ幼児期に戻るみたくどんどんお喋りになっている。本当ではないことを沢山話すようになってしまったのは、自分だけの物語を語ることについてうしろめたい気持ちが拭えないからか。だとしたら、どうすれば治るのだろう。

言いたいことがまとまらなくなってきたので終わりにする。そうそう、この考えは今でも変りませんが、被災地を復興支援する気持ちと、自分の持っている「あの日の物語」を混同して、自己顕示欲を満たすために創作活動に取り組んでいる一部の人間に対して常に中指を立てています。それが自分に当てはまりそうになったら、というか、当てはまるのであれば、本当にもう何もしなくなるでしょう。誰かを支えるのには、具体策が必須で、それがなければ、カネを落とすしかないのではないでしょうか。

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新年始まった。今年は読書のために費やす時間を増やせるはずなので目標二百冊、ということにしておきたい。読書記録つけるの下手くそなので鎖国型(?)本棚アプリに放り込んでいくだけなのですが、オススメの記録アプリとか方法とか、ありましたらぜひ教えてください。とか言ってアナログ式が良いのか?
坂口恭平さんの料理本『cook』を眺めていると取り掛かりたくなる気持ちが生まれる。

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ほぼ一日布団の中で本を読み過ごした。これは二週間ほど前から計画していたことだった。計画と言っても勝手に私が宣言し、それならばと夫も、積み本を消化するために参加してくれた。昨晩のうちに食料や菓子を用意しておいた。朝昼晩食事も摂ったし、不健康では無いと思う。バランスの良い食事ではないかもしれないが。

他人に背中を預けながら過ぎる時間は一言で表すと「まろやか」といったところだろうか。ましてや読書をしているので、これまで感じたことのない柔らかい気持ちを味わった。はっきり言って贅沢だと思う。だんだん不安になってきて途中少し泣いた。

朝、お土産のパン
昼、カップスープ、サラダ、海老焼売、肉じゃがの残り
おやつ、きな粉アイス、チョコブラウニー
夜、何でもオムライス

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少し前生活用品を新調しに出かけて、食堂で泣きながら昼食をとったことがあった。その日は始終、面倒臭い女だった。帰り道に手に持っていた上着を道端に投げ捨てたことがあった。夫は怒っていたと思う。帰宅してから爆睡して、買ってきてもらった弁当をガツガツ食べた。

生存しているだけで十分だと思ってしまう。全ての創作活動がどうでもよく感じる。思考停止している訳ではないが、これは何のためにやっているんだっけと思い返してみた時に苦しくなることが圧倒的に増えた。夕飯を作っている時間の方が幸せを感じる。

最近夫がトーフビーツの真似をしてくれる。その他お気に入りのクラブミュージックを流してくれる。「踊ってよ」と頼むとクネクネ動くのでおかしい。彼がいなくなったらたぶん自殺するだろう。

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休日は自身のコンプレックスと向き合わなければいけなくなる機会が増える。外出するのが嫌になって予定を狂わせている。ひとしきり泣いて午後、まあ夕方などにようやく玄関の外に出る勇気が生まれる。

電車の中でもだんだん泣けてくる。隣にいる夫にギョッとされる。困らせていると思った。こんなに手のかかる大人だと想像していただろうか彼は。

土日、各日、別ルートで夜の散歩をした。土曜は渋谷から新宿まで。日曜は新宿から四ッ谷まで。もうあんまり若くないので張り切って歩かなければいいのに、いざ始めてしまうと速度が上がる。自宅へ戻った頃には眠くなっていて、お風呂チャレンジにも失敗するし、いい睡眠をとり損ねる。汗臭いまま横になって、明け方びっくりして起きる。膨れ上がった瞼をマッサージしながらシャワーを浴びて布団に入るが、手遅れだと銃を突きつけられているみたいに朝日の気配を感じた。

最近夫は女性に人気の香りがするというシャンプーを手に入れた。そういう宣伝文句だったのだ。東急ハンズで見ていて、「これいいんじゃない」と冗談交じりに差し出してみると気に入ったようだった。「こすぱ」が良いようだった。
初めて使用した晩、匂いを確かめさせてくれたが、あんまり感じなかった。ただ、肌がやたらサラサラするようになった気がしている。

これもまた最近のこと。母、弟、私、夫の四人で映画を見た。おかしみのあるメンバーだった。弟は車椅子生活になってから映画館の座席に腰掛けていなかった。いつも車椅子マークのついたゾーンにぽつんと残されて鑑賞していたようだが、今回は初めて移り座らせてもらっていた。これだけでも、大きな変化に感じて泣きそうになった。
母親は弟の耳に向けて何か言っていたが、聞き取れたんだろうか。あの大音量のなか。

これ以上書けない、これに限らず詳しいことを書くと泣けてくるので。

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本当に暑い。明け方からずっと鳴き続けているカラスもうるさい。近所に住み着いてしまったのか分からないが、ここ二週間くらいずっと鳴き声に悩まされている。思い切って、行政のサイトを覗いてみたのだが、住民からの苦情を受けた後、彼らは申請書なるものを提出したり、時間をかけて対象の観察しに行ったりしなければいけないらしい。
つまり、だいぶ面倒そうであった。そして酷暑の中、早々に対応してもらえるのかもわからないし、この悩みは自然に身を任せるより仕方ないのかもしれない。カラスが威嚇モードに入るのは子育て〜子が巣立つまでらしい。それがこちら側の四月から七月あたりに該当するらしいので、ピークは過ぎているはずなのだが。
まあいいか。そのうち慣れてしまうのかもしれない。

土曜、椅子と机が届く。嬉しくてすぐ組み立てた。持つのは三年ぶりくらいだろうか。自分の部屋ができたみたいだった。相変わらずモノが少ないのでさっぱりしている。

日曜、日中はずっと室内で穏やかに過ごした。もうすぐ読み終えるミステリー小説一冊あり。これを読んだらそろそろ古本屋に売りに行こう。夜はおたのしみ。夫がタピオカジュースを奢ってくれた。

朝、サンドイッチ、アイス
昼、炒飯、味噌汁、サラダ
夜、焼き鳥

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先週の土日は、個人的にはおもしろおかしいことが多く、楽しかった。だが件の災害被害状況を目の当たりにし、また、諸々明らかになるに従い不安定な精神状態へ変わってゆく。今は非力でしかないと思ったり、素直に日頃の感情を表せなくなったりして、いらいらが募る。少し客観的にならないといけない。

そういえば、特定のユーザーだけ、このブログを閲覧不可にしたいのだが、そういったことは難しいらしい。どうしようかなと思う。URLを変えればいいか。ブログをうっちゃって、だんまりInstagramだけ更新し続けるとか。色々だ。

朝、ヨーグルトドリンク、ビスケット
昼、まかない
夜、バターチキンカレー、ナン、サラダ、酢の物